アンテナタワーを建替えアンテナを上げるに際し、JF1PUW,JG1SFX,7M3LDC各氏の応援を得た。
それに先立ちPUW,SFX氏からローテータの保守を考慮し、マストベアリングを下部にも設けておくと良いとの話を聞き、なるほどと納得し実施した。
CQ誌その他に掲載のタワー写真を見る限り、マスト下部にもマストベアリングを設けているのは少数派のようなので紹介する。
もし、ローテータのメンテナンスを行うような機会に、増設を検討されてはいかがでしょう。
効 用
マスト下部にマストベアリングを設けた場合、次のような効用がある。
1. メンテナンスでローテータを外す時、マスト下部がブラブラにならない。
2. メンテナンス時、アンテナを含むマスト重量を2箇所のベアリングに分散して支えられる。
3. 万一台風などでローテータのマストクランプが破損したような場合、マスト下部がタワーに直撃を与えず安全性が高い。
当局の実施例
タワーはクリエート社のKT22Sであるが、建設時に下部マストベアリングは設けていなかった。
後から正規に下部マストベアリングを取り付けるのは容易ではない。
すなわちマストベアリングブレートを支持するアームブラケットをタワー支柱に通す必要があるために、
最上部のタワーそのものをバラす必要がある。
部分的にバラしと組み立てを繰り返せば可能だが、当局は手抜きではあるが、後からでも容易に取り付けられる方法にした。
幸いタワー支柱には作業台を取り付けるための取付け穴があるので、何も加工する必要はない。
下図がその取り付け方法であり、写真が実施例である。
アームブラケットは支柱を通さず、タワー支柱の内側に当て片側1本のポルトでとめている。
この部分のマストベアリングは普段マストに接触しておらず、力は全くかかっていない。
一般にメンテナンスは穏やかな風の弱い日に行うが、マスト下部がブラブラしないようにロープで縛って固定するに代わる程度の強度は、これでも十二分だからである。
ただしどうしても心配な向きにはアームブラケット固定穴を楕円に加工して支柱との間にスペーサを入れてボルト締めすれば良いが、錆び止め処理が必要である。
|